評論、エッセイ

絶対零度の社会性

物質が、その細分単位である分子が、運動をやめて沈黙するときに、温度は絶対零度となる。これ以上低くなりようがない極点として、物質的存在はすべて動きを停止し、停止したゆえの結果として、それ以上には下回ることのない結束点として、超低温をわれわれ…

信じるということ

一体全体、「信じる」というのはどういったことなのだろう。日常的な語彙としては、「信じる」とは、自分以外の他者がなにがしかの行動や言動を行う際に、それを観察・感受する側である人称が、彼がおこなったことについて、自らが敷衍する規範に乗っ取り、…

クリーンナップする

例えばウォーホルのファクトリーにおいても、日毎夜毎に参ずる、自称・他称・あるいは誰彼が「称する」などといった前置を必要としないほどにそこへ必然として参じてしまっていた「クリエイター」連中が、参じていることそれだけで痕跡を残すように、その場…

「経」と不変

さいきんは「経たな〜」という感慨、それはまあ碎いて言えば年取ったな自分、ということなのであるけれど、そういう感慨が深い。いや、自分の年嵩からすれば、異様に深すぎる、ような気がする。そして、なぜだかこの感慨が実に心地よい。みなさんはどうです…