乾いた道 黄色のラバーの凹凸の ひび割れたその端から 裂け目がのぞく 下にはただ土がある 死んだ土 ダイキとユウキ 大きな建物の前で 待ち合わせて 互いの名を呼び 両手を高く上げ交えて ピシャリという音が空気を切り裂く その後には空が残る なにも含まな…
今から2年前。29歳になったばかりの頃。街の空気もいよいよ肌寒さを孕んでいくその日、次にひとりで住むことになる街はどんな街なのだろうという茫漠とした思いを抱きながら、僕はバスに乗っていた。この街にはそれなりに長く住んでいたはずなのに、慌ただし…
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